消化管に腫瘤性病変を認めました。 内視鏡所見でリンパ腫が疑われていたため、生検検体をフローサイトメトリーに提出しました。
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7AAD-SSCで展開し、7AAD陽性の死細胞を外しています。7AAD陰性の細胞(生細胞)をFSC, SSCで展開し、gateAとgateBの中身を見ています。大きな細胞(FSCが高い細胞)の領域がgate(A)、小細胞領域がgate(B)となっています。

gate(A)には25.1%の細胞が存在しています。
κ鎖陽性細胞がほとんどで、CD19, CD20も陽性なのでクローナルなB細胞が存在すると判断できます。B細胞性リンパ腫でしばしば陽性になるCD5やCD10は陰性です。

gate(B)はT細胞 93.6%(CD4 65.9%、CD8 29.4%)、B細胞 5.4%、NK細胞 2.0%です。この領域でもκ/λは8.2/0.2とκに偏っており、リンパ腫細胞が少し混入しているようです。

病理診断はDiffuse large B-cell lymphoma (non-GC type)でした。

フローサイトメトリーの所見
大細胞領域にCD19+CD20+κ+(CD5, CD10は陰性)のクローナルな細胞集団を認め、B細胞性リンパ腫と考える。